よく聞かれるので開店の経緯についてかんたんに

 店主がはじめて会った人や、ひさしぶりに会った人なんかに「コーヒー屋やってます」などと伝えたときにはほぼ間違いなくその理由を聞かれます。

「なんでコーヒー屋さんはじめたの?」という質問の意図はわからない。純粋な好奇心かも知れないし、自分も飲食店をやろうと思っている人が参考にしたいのかも知れないし、明らかに儲かりそうにない商売内容を心配してくれているのかも知れない。

その正直に答えると「縁と偶然が重なったから」ということになるんですが、そう伝えても「なるほど、わかった!」というふうになることは稀です。というわけでその縁と偶然のうちの一面について説明致します。

そもそも店主は(知ってる人も多いと思いますが)、ソフトウェア開発やそれにまつわるコンサルティングなどの仕事をしていました。それをオフィスでもある自宅で引き込もって行っていたのですが、近年は手狭に感じるようになっていました。引っ越してきた当初は2匹だった猫もいつのまにか4匹になっています。アルバイトを呼ぶことも出来ず、銀行さんとの打ち合わせ中に営業の人の膝に白猫が乗ってしまうような有様です。これを解消するためには、もう近所にオフィスを借りるしかないということになったのです。

最初はインターネットでゆるーくオフィス物件を探していたのだけれど、そのうちそのネット不動産屋さんが仲介がめんどくさくなったのか、地元の不動産業者さんと直接やってくれ(そして契約決まったら教えてくれ)と丸投げでご紹介してくださいました。そのご紹介いただいたところが、いまお世話になっている唐澤不動産さんです。

当初は唐澤さんはオフィスもいくつかご紹介いただきましたが、実はもともとは店舗物件が得意だったのです。ということで、かかるお金もそんな変わんないから店舗も見なよって口車に乗せられてすすめられるままにいろいろ見ることにしました。こちらも、2階だの地下だのだったらそんなに高くないのではないか、店舗物件とは言っても什器を入れないでふつうにオフィスとして使えばいいし。そして探していたエリアには荒木町という都内でも有数の飲み屋街があり、その近くの店舗物件だったら仕事に疲れたときに食事に出たり飲みに行ったりするのに便利。

まあそんな感じで夏くらいからゆるゆると探してもらってたんですが、年末のある日、いまの店舗物件を見ました。それを一目惚れして借りて、そのまま使うつもりだったんだけどお店を借りたがお店をやりたくなってしまった。それだけ。

これだけ書いてもまだ納得できない、という顔をしてる人がたくさんいそう。