自家焙煎ではありません

1年越しでblogが存在することを思い出したので、ついでに勢いでざっくばらんなことも書いてみます。

当店が「珈琲専門」などと冠しているために本格指向であると判断されるのか、お客様からよく「コーヒー豆もこちらで焙煎されているのですか?」とご質問いただきます。

答えは「いいえ」なのですが、それは何故かと言いますとまだ私には美味しく焙煎できないからなのです。いずれは自家焙煎に切り替えたいと目論んでおります。

美味しくできないのはなぜかというと、そもそも難しいからです。ただ豆を焙煎するだけでもとても難しい。もちろんやってることは豆を火にかけて焼くだけなので、表面的に難しいことはなにもないのですが、美味しく焼くのは本当に大変です。

諸先輩方の中には「お肉を焼くのと一緒」などといって煙に巻く方もいらっしゃいますが、お肉も完璧な火入れというものはレストランでもそうお目にかかれるものではないのです。が、完璧どころか一定水準に持っていくことすれ難しい。ビビると生焼けの味がして、気を抜くと焦げた味がします。その両者の間の違いは秒単位です。

もちろん、どんな生豆を使うかということも焼いた豆の味にものすごく影響します。コーヒーは扱っている業者さんもたくさんありますから、その都度分けていただけるロットで生豆を発注しますが、焼いてみた結果がイマイチだったとして、それが自分の腕のなさによるものなのか豆そのものの力で限界だったのかは判然としません。何回も自分で焼いて味見してを繰り返して、よさそうな生豆や業者さんを探していくしかありません。

そんなわけで、未だ修行中の身では致し方なく、現在は店主が飲んで美味しいと思ういくつかのお店から焙煎済みのコーヒー豆を買わせていただき、営業には主にそちらを使っています。

店主のテスト焙煎豆もたまに持ってきていることがあります。発展途上のものでもかまわないから味見をしてみたいとお考えの方がいらっしゃいましたら、声をかけてみてください。